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向日葵

新転位・21の「向日葵」のDVDを観ました。
「シャケと軍手」の感想は、あれほど長く書きましたが、この作品については書けそうもありません。
このお芝居、作品として観られませんでした。
だって、私、親であり教師だから。

この芝居は佐世保小六同級生殺害事件を題材にしています。
「向日葵」というタイトルの由来は、事件後、カウンセリングを受ける女子児童の様子から取ったもののようです。
それは、スクリーンに映し出される何枚かの写真についてカウンセラーが女子児童に「これはなに?」と尋ねるシーンの中に出て来ます。
この事件についてやや詳しい同業の友達が観ようかどうしようか随分迷ったあげく、結局はDVDを持って行ったから、再確認することができないのですが、確か写真は野の花ばかりだったと思います。
彼女はそれらの写真が何なのかその花の名前は何というのか全く答えられません。
でも、「向日葵」という漢字を「ひまわり」と読むことはできます。

上述の友達の話によると、長崎は高校受験が合同選抜方式なので、生徒は進学したい高校を自分で選ぶことができず、その弊害が受験戦争の加熱に繋がっているそうです。
合同選抜と言えば、私の出た大学のある県も、当時、合同選抜が行われていました。
ですから、同級生の多くがそれを経験していました。
そして、彼らは異口同音に合同選抜の弊害を私に話して聞かせました。
彼らは私の高校時代の話を聞き、アルバム写真を見て、「私たちには、こんなに楽しくて自由な高校生活は無かった。」と言いました。
市内5校の普通科高校に普通科進学希望者が成績で均等に振り分けられます。
そのことによって、全く同じ成績でスタートした5校は、今度は大学受験に向けてどの高校が最も多くの有名大学に入学できるか鎬を削ります。
だから、彼らは、私が経験したようなお祭り騒ぎの体育会も文化祭も、勉強とどちらが本文か分からない程に熱心に活動した部活動も経験しなかったようでした。
事件当時の長崎と私が通った大学のある県の当時の合同選抜が同じ方法で行われていたかどうかは、私は知りませんが、同じような弊害があったかもしれないことは充分に考えられることです。

ですが、長崎でおきた事件が私の住む福岡ではおきないと誰が言えるでしょうか。

かつて、私は、娘が勉強さえしていれば安心する親であった時期がありました。
そして、ついつい生徒に居丈高にものを言ってしまう今があります。

このDVDを観た翌日、一瞬生徒指導を躊躇してしまった自分がありました。
これでは、仕事になりません。
指導の改善はもっと長い時間をかけて醸成しなければ。

このDVDを観た後は「僕と僕」を観るつもりでいましたが、これは夏休みの宿題にしようと思います。
「僕と僕」は神戸児童連続殺人事件をテーマにした作品だからです。
by lee_milky | 2010-03-14 21:07 | Comments(0)
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