4度リピートして感じたことは様々あれど、なかなか上手にまとめられないので、思いついたことを徒然なるままに書き記しておこうと思います。
この映画のタイトルにもなっているブラック・ファイルとは何を指しているのだろう。
ベン・ケイヒル(ジョシュ・デュアメル)が正義のためという大義名分で証拠の改ざんを繰り返したファイルのことだろうか。
ベン・ケイヒルがエミリー・ハインズ(マリン・アッカーマン)から不正入手したファイルのことだろうか。
チャールズ・エイブラムス(アル・パチーノ)は言った。
「法廷で大切なのは、何が正しいかではなく、どう見えるかだ。」と。
正しくはないが正しく見えるもの、実像と虚像が異なるもの―ブラック・ファイルとは、このようなもののことではないかと思い至った。
ならば、ベン・ケイヒルも、エミリー・ハインズも、チャールズ・エイブラムスも、アーサー・デンニング(アンソニー・ポプキンス)も、シャーロット・ケイヒル(アリス・イブ)も、謎の男(イ・ビョンホン)も、みんなブラック・ファイルに例えることができそうだ。
ここまで書いて、この映画の原題がMISSCONDUCTだったことを思い出した。
MISSCONDUCT-不正行為、違法行為。
なるほど、どのキャラクターも違法行為を働いている。
中でも、シャーロット・ケイヒルは、彼女が違法行為を働いていたことは最後まで明かされず、それが殺人という重罪であるだけに、実像と虚像のふり幅が大きい。
そして、そのふり幅を、アリス・イブは、おさえた演技でありながらも見事に演じている。
なぜ、おさえた演技でなければならないか。
それは、彼女が殺人を犯した事実は最後まで明かされないから、曖昧にしなければならないから。
しかし、伏線としてのシーンは多く描かれていて、リピートする度に新しい発見がある。
これまでに気づいたシーンは以下の7つ。
①彼女がエミリー・ハインズを殺したのちにあわてて逃げているシーンと思われるシーンがある。
②彼女が帰宅直後、鏡を見ながら息を整えているときに、エミリーの死体を発見し、帰宅した夫の気配に驚くシーンがある。
③エミリー・ハインズの隠れ家の隣人の名前(名前は忘れた)に過剰反応するシーンがある。
④その隣人が謎の男に襲われ、偶然、彼女の勤務する病院に救急搬送されたとき、隣人の詰問して同僚にとがめられるシーンがある。
⑤夫に隣人を眠らせておいてくれと頼まれた直後に、注射器を持って病室に行くが、その時から隣人の臨終にかけての彼女の様子から、彼女は隣人を眠らせようとしたのではなく、殺そうとしていたのではないかと推察できる。
⑥謎の男の言動からそう推察できる。
⑦教会でのシーンが彼女を中心に撮影されている。
これらの伏線の部分では、
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