私の勤務する学校に、今月上旬中国は満州出身のA君が転入してきました。
彼の大陸的なものの考え方や思ったことを何でも口にする彼に、周りの生徒は困惑気味。 そこで、今週の道徳の時間は「国際理解」の内容項目で、授業を行いました。 出典は、昨年の夏話題になったイ・ジョンヒョンちゃんの手記のことが書かれた記事。 まず、授業の冒頭で、2年前の紅白のVTRを流し、彼女のプロフィールを紹介したあと、授業に入りました。 なぜ、このことをレビューにする気になったかというと、この記事を探そうとネットサーフィンしている時に、彼女の手記に対する日本人の批判的なコメントが目に付いたからです。 日本の大人は中学生に負けていますね。 批判ばかりしていては、いくら交流を深めても、隣国の理解など出来るはずもありません。 ■資料1 歌手で女優のイ・ジョンヒョンが去年、日本での活動当時、日本特有の文化に適応できず、しばらく鬱病に苦しんだ経験を打ち明けた。 <問1> 彼女は、日本文化のどんなところに適応できなかったのでしょう。 ☆食べ物 ☆謙譲するところ ■資料2 来る 20日発刊されるユネスコアジア-太平洋国際理解教育院(以下アジア太平洋国際理解教育院) 学術誌 '国際理解教育'に寄稿した文を通じてこのような経験を発表した。 イ・ジョンヒョンは学校推薦で、この学術誌に寄稿した。 「私が思う国際理解関係-文化交流『理解し合うための第一歩』」という題目の文でイ・ジョンヒョンは 「『韓流ブーム』のおかげで、韓国国民の文化的優秀性を引き立てるために、日本という国に正面から挑んだ私は、むしろ彼らの 何でも『はい』と肯定する文化に恐ろしさを感じ、しばらく鬱病に苦しんだ。」と明らかにした。 イ・ジョンヒョンは 「仕事をしている中で、どんな間違いをしようが、ちょっと不満足なコンサート結果や演技でも、彼らはいつも私をたてて、『私が最高』という自信感をいっぱい持たせてくれたが、後ろ向きになれば冷たく変わってしまう何人かの日本人のために傷ついて、しばらく大変でもあったし、このような経験から、(日本人を)色眼鏡にかけて見るようになった。」と告白した。 <問2> 日本の「はい」文化を受け入れられなかった彼女を、あなたはどう思いますか。 ☆しかたがない。 ☆他の国の人から見れば、変と思うかもしれないけど、日本人の私から見れば、それを変と思うことが変な気がした。 ■資料3 しかし「 TBSドラマ 『ロンド』を撮影しながら、このような心が癒されて悟りを得るようになった。」と話を続けた。 イ・ジョンヒョンは「偏見で日本の『はい』文化をちょっと冷笑的な視線で、有り難た迷惑だと思っていた私は、以前に受けた数々の傷を思い浮かべて、いつも防御体制を取って、TBS 一流制作スタッフと戦っていた。」と 「ロンド」撮影に初めて臨んだ当時の心境を語った。 しかしイ・ジョンヒョンは「日本のトップスターたちの謙遜さに感動して、考えが変わっていった。」とエピソードを紹介した。 イ・ジョンヒョンは 「最高のスターたちが制作スタッフと一晩中ごろ寝して、お弁当を分けあって食べても、スターとしての体面が傷つけられたなどとは思わず、たとえ一話に一場面だけの出番でも、プロデューサーと絶えず論議して熱情の限りをつくす彼らの 『頑張ります』という言葉にさらに驚いて胸を打たれた。」と伝えた。 さらに、(中略)「『ロンド』のスタッフはむしろ韓国俳優である私を、一緒に出演した韓国俳優たちと韓国の制作スタッフと一緒に、暖かくかばってくれた。」と明らかにした。 イ・ジョンヒョンは 「ロンド」の打ち上げで日本人の男性スタッフが女性用の韓服を着て、韓国俳優たちに送る手紙をハングルで一生懸命に書き、韓国語で読み上げてくれたことや、(彼女自身)日本人スタッフとの別れが名残惜しくて、涙が溢れたことなど、当時を回想した。 イ・ジョンヒョンはこのようなエピソードを紹介しながら、「文化交流は隣国の( )に大いに役立つ。」と強調した。 <問3> ( )の中には、どんな言葉が当てはまるでしょうか。 ☆理解 <問4> 今日の学習を通して、考えたことやわかったことを書きましょう。 ☆どこの国でも、なれるまで納得できないことは沢山あることが分かった。それに、「日本人は優しい」と他の国の人が言っているときに「そうか?」と思うこともよくあったが、それが、個人の印象ではなく、国の文化の違いによって生じるイメージの違いというのは驚いた。 ☆最初の方は、文化が違うし、仕方がないのかなあと思っていたけど、後から、日本人の優しさなどを理解してもらえたので、良かったと思います。 ☆日本人は、お互い謙遜するのが当たり前だと思っているから、外国人の行動を見たときに、図々しいとか横着だとか思ってしまう。それに、例え、相手の人が嫌いでも、話を合わせたり愛想笑いをすることができるから、日本人のそういうところが、イ・ジョンヒョンさんは、受け入れることができなかったんだろうなと思った。私は今まで、外国の人も謙遜し合うのが当たり前だと思っていたから、A君の言動も「え?」とか思っていた。でも、今日の授業で、外国の人が(日本の)文化を受け入れるだけじゃなくて、日本人も文化の違いを理解しなければいけないなと思った。 ☆それぞれいろんな国の文化があるので、外国の人が日本の文化を受け入れられないと思うけど、イ・ジョンヒョンさんが、最後には、ドラマを通して日本の良さを分かってくれて嬉しかったです。 ☆日本の文化が他の国の人たちに受け入れられないのは、日本人が他の国の文化にとまどうのと同じで、仕方がないことだと思う。でも、この記事を読んで、他の国の人たちに思いやりを持って、そして仲良くしていけば、国が違っても、理解できるんだなと思った。 ☆「ロンド」の撮影で、日本人に対する思いや見方が変わって良かったと思う。イ・ジョンヒョンさんが、言っていたように、文化交流を深め、それぞれの文化を理解していくべきだし、この経験は大事なことだと思う。
by lee_milky
| 2007-05-26 22:11
| 한일 교류☆日韓交流
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Comments(5)
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at 2007-05-27 11:06
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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みずき
at 2007-05-27 13:57
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こんにちは。暑くなってきましたね。
解りやすい題材で授業が出来ましたね。色違いは生徒さんの答えですよね。中学生でここまで理解が出来るのですよね。 わたしもこの記事を初めて読んだ時、訳がおかしく?本当に何が言いたいのか分からなく、なんとなく不愉快な気持になりました。 文化交流は本当に大切な事と思います。このブームは私達普通の人間にとって、韓国について知るきっかけとなり、凄い力だったと思います。知れば知るほど理解はできるが、受け入れる事は難しい事だなと感じています。文化というか気質ですね。簡単なところで「ケンチャナ精神」です。嘘つきとは言いませんが、いいかげんな、ルーズなところはだめですね。 でもドラマを見ていて良いセリフはいっぱいあって、良いことを言っていると思う反面、「えぇ~そういうふうに言うの?」と思う場面も沢山あります。 (ドラマを見る限り、韓国では暮らせないと思う) 私くらいの年になると柔軟性に欠けるけど、凝り固まって批判ばかりもしないですが、若い子供達には色々な国の文化を知る機会を沢山持って欲しいですね。ちょっと過激なコメントでした。
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lee_milky at 2007-05-27 15:12
☆非公開さん、こんにちは。
コメント、ありがとうございます。 実は、このレビューを紹介するにあたり、少し迷いがありました。 だから、こうして新しい方にコメントを頂くと、尚更うれしいです。 >教室では平等にチャンスが与えられますね。 この言葉に、ドキッとしました。 そうですね。 頂いた言葉を大切にして、頑張ります。
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lee_milky at 2007-05-27 15:21
☆みずき さん、こんにちは。
>色違いは生徒さんの答えですよね。中学生でここまで理解が出来るのですよね。 はい、そうです。 <問1>は、はじめはなかなか答えが出なかったので、班にして考えてもらったのですが、「謙譲するところ」と答えた班が出てきたのには、驚きでした。 「先生より、あなた達の方がすごい。」と褒めました。 読み取る力と感性がないと、この答えは出ないですよね。 さらに、<問4>で、Aくんのことにも気づいてくれたので、嬉しかったです。 >わたしもこの記事を初めて読んだ時、訳がおかしく?本当に何が言いたいのか分からなく、なんとなく不愉快な気持になりました。 そうですね。 訳のまずさもあったかもしれませんね。 とすると、私の訳が良かった?(自画自賛) 私は、この記事を週刊誌で読んだので、みずきさんよりは、彼女の言いたいことがわかったようです。 でも、「ハイ」文化のせいで鬱病に至ったというのには、少なからず驚きました。
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lee_milky at 2007-05-27 15:21
☆みずきさん、続きです。
私も、みずきさんと同じような感覚になる時があります。 交流はできても、理解となると、なかなか難しいですね。 でも、やはり、交流が理解への第一歩なのですから、今、私たちがやっていることは、きっとむだではないでしょうね。
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