娘が昨日の早朝から修学旅行に出かけて留守です。
だから、昨日は夫と二人で出かけました。 姑の病院に昼と晩ご飯を食べさせに行ったり、親戚の見舞いに行ったり、灯油や食料の買い出しに行ったりと、遊ぶ時間はほとんどありませんでしたが、それでも、車で移動する間、色々なことを話しました。 その話題の一つが「ねじまき鳥クロニクル」をはじめとする村上春樹の小説の話でした。 この本が、あまりにも重かったので、私は村上春樹の小説を続けて読むことができず、今は軽い短編小説を読んでいますが、夫は立て続けに村上春樹の本を読んでいて、もう4冊目に入っています。 彼も、これらの小説を読んでから、見えない世界のことが少し信じられるようになったそうです。 そして、姑の入院する脳神経外科の患者さん達を見ていると、私達健常者には、患者さんの意識がはっきりしている時とそうでない時があるように感じるけれど、実は、村上春樹の描く世界のように、こちら側とあちら側を行きつ戻りつしているのかもしれないと思う時があるそうです。 私は、彼の話を聞きながら、週に一度だけ美術の授業で出会う「しょうがい児」学級の生徒のことや「バンジージャンプする」のことを考えていました。 「バンジージャンプする」は、もう3年も前の5月に観ました。 その時は、全然好きになれませんでしたが、ビョンホン映画といえど、好きなものも嫌いなものもあるさと思っていました。 ところが、ある時から、「バンジー」が好きになりたいと思うようになりました。 きっかけは、あるお仲間さんから、「ビョンホンシが好きだというこの映画を、ミルキーさんにも是非好きになって欲しい。」と、DVDが送られてきたことでした。 大きな声では言えませんが、コピーはよくいただくのですが、オリジナルを頂いたのは初めてだったので、正直驚きました。 勿論、送って下さった方は、それっきり、もう観ましたかとも、感想はどうでしたかとも一切聞かれませんが、自分の中で、なんとなく「次回観たら、好きにならなくては。」というプレッシャーが芽生えました。 ビョンホンシも好きで、何と言っても、韓国では、今もファンが発起人となって毎年上映されている映画です。 だから、かえって、このDVDを観るのが怖くて、昨日まで封印していました。 今回、前回にはみつけられなかった発見や、前回抱いたマイナスイメージが全く異なる印象になったシーンが沢山ありました。 その最大の部分は、ラストシーンです。 私は、前回、イヌとヒョンビンは自殺したのだと思いいっていましたが、そうではなく、イヌとテヒが一緒にバンジージャンプをする。。。ただそれだけだと思いました。 山に登った時、テヒは、確かに「バンジージャンプは死なないのよ。」と言ったのですから。 だから、彼らは一緒にバンジージャンプをし、一緒に生きるのだと思います。 ただその生きる場所が、どこなのかが観る者に判断がつかないだけで。 また、前回は、ヒョンビンが前世のことに気付いてからの描写が足りないように思いましたが、今回は、なぜ、そう思ったのか分かりませんでした。 もし、そこをくどくど描いたら、それこそ、この映画は、「同性愛」を描いたものになってしまうでしょう。 イヌが高校を追われる時、イヌを慕う教え子と共に、イヌの背中を見送りながら、純愛とは、辛く悲しく、周りの人を不幸にするものだと思いました。 結局、私は、この映画を好きになることができたのでしょうか? 正直、未だ分かりません。 ヒョンビンの彼女に辛く当たったり、ヒョンビンを折檻したりするシーンは、未だに耐え難く、観るのがいやです。 それは、私がイヌと同じ職業だからでしょうか? でも、イヌが「テヒ、君はどうして分からないの?」とヒョンビンに詰め寄るシーンから、ラストまで、ずっと泣き通しで観、また観たいと思ったのは確かです。
by lee_milky
| 2008-02-13 00:27
| +バンジージャンプする
|
Comments(9)
Commented
by
みずき
at 2008-02-13 10:12
x
milkyさん おはようございます。昨夜静かに降った雪が20㎝くらい積りました。
バンジージャンプ、ご覧になったのですね。1度目は分けわからなくて「何なんだろうこの映画は」と思っていましたが、2度目を見たら不思議な感覚は分かるような、表現は難しいのですが嫌いな感情がなくなって、いい映画なのではと思いました。 しかしドラマは細かく説明?しているので理解はしやすいのですが、感性に任せた映画はもやもやが残って仕方がありません。 この記事を読んで、最後のバンジージャンプで、自殺をしたのかどうだったのかが、私がずっともやもやしていた部分でした。 そうか一緒に生きている。それでもいいですね。 私はつい結果を求めてしまってせっかくの映画がうまく感じられなくなって、映画ってそういう風に見るのではないということを、思うようになってきました。
0
Commented
by
みずき
at 2008-02-13 10:15
x
話は変わりますが、続きです。
自閉傾向にある息子を持つ経験からすると(不思議と男の子が多いのですが)、周りとのコミニケーションが取りにくいと言いますが、自分の関心のあることについては誰かと話をしたいのです。息子もたくさん興味のあることがあって、それについて一緒に話をするとすごく喜んで、楽しそうにします。その関心のあることが頭の中を占めていますので、他の事が入ってきにくく、自分の世界に夢中になっているのかなと理解しています。 でも、とても真面目なこだわりがありますので、これをしましょうと教えたことは何が何でもやらなければ気が済みません。ひとつづつ生活をしていく上で必要なことを教えていって、その子の楽しみには付き合って、心の落ち着いた生活を送れるようにしてやると、案外頼りになる存在です。 そういえば中学部のころ、公文の算数をさせていました。すごいペースで毎日きめられた枚数をこなしていました。それが今、パンの販売に役に立っています。旅行の時など道路標識をみてくれますし、毎日の生活も規則正しい生活です。話がずれましたが参考になれば喜びます。
Commented
by
kira-kira
at 2008-02-13 20:41
x
こんばんは。 「バンジー・・・」は大好きなLBH作品です。
生まれ変わった運命の人が、異性か同性かは、問題外ではないでしょうか? ジェンダーフリーの発想なんて皆無だと思います。 ただ、映画の場合、女生徒にしてしまうと、教師と生徒という安易な関係になってしまい、「魂」の結びつきがかすんでしまうので、一捻りしただけだと思います。 かなり前ですが、何十年もの間(百年くらいかも)、出会いと別れを繰り返す男女を題材にした小説を読みました。 主人公の二人が不思議な記憶(デジャヴ)を抱えながら、場所や時代も様々に、いつもすれ違うのです。ある時は、老女と青年だったり、幼女と青年だったり、若い女性と初老の男性だったり。最後は、長年連れ添った夫婦が、実は、それぞれの生まれ変わりだったことを悟る。という、心に暖かさが残る作品でした。 バンジーも同じだと思いました。ラスト、二人の「肉体」は滅びるけど、「魂」は生き続けると、受け取りました。
Commented
by
kirakira
at 2008-02-13 20:41
x
つづきですが・・・
milkyさん、イヌも、教師とはいえ、「人」なのです。 嫉妬して、生徒に当たるのは間違いだけど、人は完璧ではありません。 可愛いらしじゃないですか・・・ って、私がヒョンビンや彼女の親だったら、文句言いますけどネ。 教師って大変ですね。 なぐさめになりませんね。 ごめんなさい。
Commented
by
naoco
at 2008-02-13 21:19
x
こんばんは
バンジーって後に残る作品だと思います BHさんも「みんなが、観た後に思いを語ってくれるのは嬉しい」・・なんてこと言ってませんでしたか? (これは他の映画の時のインタビューですが、全作品に通じるものがあると思います) 衝撃作品No.1ですよ。 ウンジュさんと山登りするシーンが好きですよ あの景色にほっとします。 ・・PS ありがとうございます。 他の方に色々励ましていただいても、右の耳から左へスルー・・で うなされてる毎日でした。 通じなくて当たり前。 コレにはピンッときました
Commented
by
lee_milky at 2008-02-14 01:06
☆みずきさん、こんばんは。
やはり、映画は、2度観ると1度目とは違った感想が得られますね。 >しかしドラマは細かく説明?しているので理解はしやすいのですが、感性に任せた映画はもやもやが残って仕方がありません。 確かに、ドラマと映画の違いの一つがそこですよね。 私は、だからこそ映画のほうが好きなんですよ。 人それぞれですね。 >そうか一緒に生きている。 はい。生きていると言っても、その生き方も一通りではないような気がしました。
Commented
by
lee_milky at 2008-02-14 01:07
☆みずきさん、続きです。
また、息子さんの貴重なお話しをありがとうございました。 >周りとのコミニケーションが取りにくいと言いますが、自分の関心のあることについては誰かと話をしたいのです。 なるほど、まず、それを知ることからですね。 私の受け持っている生徒さんは、美術も好きでいてくれるのですが、一度制服が汚れないように体操服に着替えて貰ったら、体育の授業と間違えて、3階の美術室ではなく、1階の体育館に行こうとするので、困りました。 それからは、私も彼もボンドで汚れようが、絵の具で汚れようが、いつもの服装で作業をしています。 お母さんも、細かいなと頃には目をつむり、大きな気持ちで受け止めて下さるので助かっています。
Commented
by
lee_milky at 2008-02-14 01:13
☆kirakiraさん、こんばんは。
>ジェンダーフリーの発想なんて皆無だと思います。 はい。今回、ようやくそう思うことができました。 >ラスト、二人の「肉体」は滅びるけど、「魂」は生き続けると、受け取りました。 私が感じた二人が行き続けるという考えの中に、このkirakiraさんと同じような発想も含んでいます。 そういう意味での「生きる場所」です。 >milkyさん、イヌも、教師とはいえ、「人」なのです。 嫉妬して、生徒に当たるのは間違いだけど、人は完璧ではありません。 可愛いらしじゃないですか そうですよね。 私も、この映画に対してはそう感じながら、実生活では、かなり可愛らしい(苦笑)です。 次回は、この部分を乗り越えられると良いな。
Commented
by
lee_milky at 2008-02-14 01:18
☆naocoさん、こんばんは。
>ウンジュさんと山登りするシーンが好きですよ 私も、あのシーン、好きです。 それに、映画を見てから時間の経過と共に、バンジーがすごく好きになってる。 ずっと、好きになりたいと思っていたのに、好きになり始めると、以前は嫌いだった癖にと、別の自分が呼び戻そうとするんですよ。 何か、気恥ずかしい気もするし。 人間の心理って複雑ですね。 明日は、公立一般受検の願書提出日です。 いよいよ大詰めですね。
|
日韓映画文化交流研究会
↑↑Click!!↑↑ ※飛ばない時は こちらから 検索
カテゴリ
全体 韓国を詠む 帰郷 韓国語講座 Book Review 日韓交流 童謡と童話 ■LBH出演映画■ +コンクリート・ユートピア +勝負 +非常宣言 +KCIA 南山の部長たち +白頭山 +それだけが、僕の世界 +天命の城 +G.I.ジョー3 +エターナル +マスター +マグニフィセント・セブン +密偵 +ブラック・ファイル 野心の代償 +インサイダーズ +メモリーズ +ターミネーター 新機動 +REDリターンズ +G.I.ジョー2 +王になった男 +Share The Vision +アイリス-THE LAST- +The Influence +悪魔を見た +I come… +G.I.ジョー +HERO +グッド・バット… +夏物語 +甘い人生 +CUT +誰にでも秘密がある +純愛中毒 +マリといた夏 +バンジージャンプする +JSA +我が心のオルガン +地上満歌 +彼らだけの世界 +RUN AWAY +誰が俺を苦しめるか ■LBH出演ドラマ■ ー私たちのブルース -HERE ーイカゲーム -ミスター・サンシャイン -外交官・黒田康作 -アイリス -セリが帰ってきた -オールイン -美しき日々 -遠い路 -ハッピートゥゲザー -ひまわり -白夜3.98 -美しい彼女 -アスファルトの男 -恋の香り -ポリス -生き残った者の悲しみ -明日は愛 -別れの来ない朝 -あの野菊の如く -アスファルト我が故郷 -太陽が昇る日 CF 写真集 Happy Birthday Merry Christmas NHK紅白メッセージ あの日の君へ ファンミーティング 韓国旅行 スキン変更 教科指導 博多グルメ オフ会 Information ?? ??☆単語カード 集中インタビュー はじめに IRISあらすじ和訳 IRIS OST和訳 韓国映画関連映画祭 福智高等学校特別公開講座 日韓映画文化交流研究会 東日本大震災 携帯より 映画 ドラマ 未分類 ブログパーツ
最新の記事
お気に入りブログ
ぽっとの陽だまり研究室 今日も食べようキムチっ子... あばばいな~~~。 RGBとCMYの不思議な関係 まり♪のシネマ・ブックス... My precious ... Thinking of ... 薬膳のチカラ Everybody Ha... 豊前上野.百の箱- mo... ビョンホンびいき Yucky's Tape... LBH映画を語る会@FU... 日本人類言語学会 外部リンク
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||