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思考を促す映画鑑賞

先週から夫が仕事で家を空けているので、娘の家に泊まりにきました。
久しぶりにのんびり過ごしています。
そんなわけで、久しぶりにマイブログを開いてみたら、あら?9月に福田村事件について書いたきりでした。
みなさま、大変ご無沙汰しておりました。
ごめんなさい。

今、職場では、授業で、その福田村事件のパンフの一節を使っています。
映画の表層だけでなくもっと深いところを読み取ろうという授業です。
まず初めに映画を一度見て、概要を掴みます。
それから、映画の中の気になる部分、不思議に思う部分をピックアップし、みんなで、それを掘り下げていきます。
そこで、なぜ映画の中の違和感をピックアップする必要があるのかを説明するのに、パンフを登場させます。
パンフの巻頭に、監督と評論家の対談が掲載されています。
パンフが職場にあるので、お名前が確認できないのですが、どちらも森さんです。

聞き手の森さんが監督の森さんにこう聞きます。
なんで、ラストが少年なの?
監督の森さんはこう答えます。
劇映画ではあり得ないラストですよね。反対も多かった。でも、僕はそれしかないと思った。

先生もね、同じところで引っかかったんですよ。主演はみんなのお父さんお母さんくらいの年齢の夫婦です。なんだかんだあったけど、最後に船で向こう岸に渡っていくシーン。ここで終わりと思いきや、みんなと同じくらいの年齢の端役の少年が長い行商から帰ってきて、淡い恋心を抱いている少女に出会う。
なぜか、ここで笑いがおきました。
それで、「このこから行商に出かける前に手作りのお守りをもらうんですよ。」を付け加えました。
普通ないですよね。エンドロールで、配役やスタッフの名前がスクロールしてる時に違う場面が出ることはあっても。ラストは、主演です。
だから、あらっ?と思ってました。それだけです。なぜ?とまでは考えませんでした。
でもね。評論家は流石です。
聞き手の森さんはこう言います。
未来ですよね。
なるほどそうか!
と思いました。

監督の森さんもこう言います。
森さんはそう見たの?僕はそこまで考えて無かったかも。でもそれでいいんです。映画は公開したら観客のものだから。

ということで、今日ははじめに違和感をピックアップして、それから、それらについて、みんなで考える授業です。
なるほど!とか、こんな考えもあるけど、とか思って欲しいです。


ところで、最後に、ここで紹介するかどうか迷っていたことを紹介させて下さい。
私が半年以上かけて書いた論文です。

# by lee_milky | 2023-11-12 07:30 | 映画 | Comments(0)

福田村事件、監督インタビュー




# by lee_milky | 2023-09-23 23:00 | 映画 | Comments(0)

福田村事件

最近、私の体調不良のために、日韓映画文化交流研究会の月例会を開催できていなかったので、9月は、例会でなく「お誘い」をしました。
当初は、足の調子が戻れば、例会に戻そうと考えていたのですが、「お誘い」に参加してくださった会員さんとアフタートークをしていたら、「この方が気楽でいいですよ。」と言ってくださったので、今後も「お誘い」を続けて行こうかと思います。
とにかく、「無理なく」「長く」です。

さて、映画ですが、100年前の関東大震災に端を発する朝鮮人を中心とする弱者にたいする虐殺事件の最中、朝鮮人と間違えられて日本人が殺された史実を基にした映画です。
はじめは、韓国映画に何の興味もない友人から、この映画のことを知りました。
彼女の発想は、「朝鮮人に間違えられてころされるなんて可哀そう」という発想だったのですが、私は、彼女の話を聞きながら、そんな映画が公開されるなら、これまでタブーとされてきた関東大震災時の朝鮮人虐殺の話が公になるなと思い、この映画に興味を持ちました。

さっそく映画のHPをみてみると、その俳優陣の豪華さに驚きました。
こんな映画に人気俳優が出ていいの?
監督は「フェイク」の森達也監督。
劇映画初監督と知り、2度びっくり。

HPからは、ここ福岡での上映予定は見つけられませんでしたが、そこはそれ。
頼みのKBCシネマのHPで確認すると、やはり上映予定・・・のみでなく森監督登壇の舞台挨拶も予定されているということで、日韓映画文化交流研究会で「お誘い」したわけです。
すると、直近になって森監督だけでなく、地元出身の田中麗奈さんも登壇という情報がアップされて、既に前売り券も発売開始ということで、あわててその旨を「お誘い」に追加をお知らせしました。
私がチケットを買った時点で、既に満席に近かったです。

映画は、果たして東京大震災直下に弱者が虐殺されたということが如実にわかる群像劇でした。
監督がドキュメンタリーの森監督だということで、どんな撮り方をされるのか興味津々でしたが、劇映画らしいカメラワークで驚きでした。
それはなぜなのか、舞台挨拶でも語られましたし、パンフにも書かれていました。

では、どんなところにドキュメント監督らしさが出ていたのか、考えてみました。
もしかしたら、俳優陣の魅力が際立っていたのが監督らしさなのか、ドキュメンタリーでは、被写体である素人の魅力を瞬時に引き出さなければならないから。

実際に、俳優陣の中で井浦新さん以外はそんなに好きだとは思わない(苦笑)俳優さんばかりだったのに、それぞれに好きな俳優さんたちになっちゃいましたよ。
特に、田中麗奈さんは顔も小っちゃくて、お話も素敵で、にわかファンもいいとこで、プロフィールを調べてビックリ。
かつて飲料水のなっちゃんに出てた娘じゃないですか~。
全くつながっていなかったです^^

で、そんなこんなで感情移入した人たちが殺されたり、殺したりするわけなので、観るのがつらい映画でした。
しかし、私が期待してたことはしっかり朝鮮人に間違えられて惨殺された薬売りの親方に扮した永山瑛太さんが言ってくれました。
「朝鮮人なら殺してもいいのか?」

東京大震災に乗じて殺されたのは、朝鮮人や中国人、それに政治犯でした。
これらの人たちを恐れていたのは、他でもない日本政府だったはずです。
薬売り一行を惨殺したのはタイトルにもある通り福田村の人たちでしたが、その人たちが特別な人ではなく、加害者も被害者も、時の政府や時代に翻弄された犠牲者なのだと思いました。







# by lee_milky | 2023-09-23 21:36 | 映画 | Comments(0)

ペパーミントキャンディー

残念ながら、福岡では上映されていませんので、
私は、シネマ映画.comで観ました。

しばらく、ドラマを中心に見ていましたが、
最近、映画に回帰しています。
そして、映画のよさを再確認しているところです。
それにしても、観ていない有名な作品が多くて、
自分でも驚いています。

まずは、ソル・ギョングの「ペパーミントキャンディー」
先ずは、タイトルを見て驚いたのが、
하카 사탕(ハッカ飴)だったこと。
ペパーミントキャンディーと言われると、
なんとなく美味しいキャンディーのような気がしてたけど
私の苦手なハッカ飴のことでした
なぜ、今まで気づかなかったのか?(苦笑)

そして、このタイトルの由来は
ヒロインのスニムがハッカ飴工場で働きながらも
ハッカ飴が嫌いだったこと

スニムは恋人のキム・ヨンホがハッカ飴を好きだと知って、
軍隊に入隊した彼への手紙に
ハッカ飴を1個ずつ入れる

でも、このエピソードは
映画の終盤で明かされます。

オープニングは
同窓会のキャンプにキャンプには場違いのスーツ姿で
キム・ヨンホが登場する

そして、楽しい同窓会の最中、
一人、癇癪を起こし
仲間の制止も聞かず
鉄橋に立って
「帰りたい!」と叫ぶ!

そして、あわや!!
というところで、時間がさかのぼり、
なぜスーツ姿だったのかが分かる

さらに
時間がさかのぼり
なぜハッカ飴を見舞いに持って行ったのかが分かる

さらに
さらに

という手法で過去にさかのぼるごとに
旨の締め付けられるような
エピソードが明かされて行って
最後に
若い2人の恋が
時代に戦争に
翻弄されたことが
分かる

という映画でした。

はじめはくたびれたおっさんの
自殺願望の
映画と思いきや
何で、この映画が
こんなにも有名なの?
と思いきや

最後はしびれるほどに
引き込まれていきました




# by lee_milky | 2023-09-23 19:49 | 映画 | Comments(0)

コンクリートユートピア、インタビュー記事を公式ファンクラブが訳してくれました

あら嬉しい
私が気になったシーンが
ビョンホンシのお気に入りの
シーンですって

# by lee_milky | 2023-09-20 18:54 | +コンクリート・ユートピア | Comments(0)