言うまでもなくオール韓国語。
4回見たとはいえ、始めから終わりまで見たのは4回目のみ。 1回目は入国ラッシュのため、仁川空港から駆け付けた舞台挨拶付き上映に20分ほど遅刻。 2度目のルバース団体観覧では、ちょこっと居眠り。 3回目深夜の観覧は、けっこうな居眠り。 そんなわけですので、正確に理解しているかはなはだ怪しいですが、感想を書こうと思います。 のっけからネタバレ満載ですので、これ以降、お読みになるのはご注意くださいね^^ 昨日、何度見てもまた見たくなる映画と書きましたが、なぜそうなのかを自問自答してみました。 理由その① 言わずと知れたビョンホンシの演技。もう神としか言いようが無い! 理由その② アン・サングの七変化に過去のキャラクターを見るから。 一番露出の多いのが、あの教授^^;兄と慕っていたペク・ユンシクシ演ずるイ・ガンヒに裏切られ、右手首を切られた後のゴロツキ時代の風貌がそれ。 トイレのシーンは王になった男。 あと、刑務所でのアン・サングは勿論オールインのイナ。 脱走してイ・ガンヒに復習し、彼の腕を落としたのち、 自首するために小窓から覗くシーンは、甘い人生のソヌ。 黒革手袋とカッコいい部分のアクションはグッド・バッド・ウィアードのチャンイ。 そして、サングの過去が説明されるシーンで出てくる短いショットが風の息子のホンピョや純愛中毒のテジンを彷彿とさせる。 もう、ビョンホンファンには涎もの^^ ロングバージョンだと懐かしい彼らにもっと会えるかと思うと、もうたまりません。 理由その③ 勧善懲悪なストーリー!!ハッピーエンド好き、鬼平犯科帳より水戸黄門好きなmilkyとしては、たまらない展開^^。 社会派な映画とは言え、やっぱりそこはそれ、もとは漫画ですから。 ディテールが細やかでなくて、リアリティーが無いと言えばそうなんだけど、いいじゃん、分りやすくて! 悪い奴はとことん悪くて、良い奴はとことん良いのよね。 因みに、悪い奴は上品なイ・ガンヒで、良い奴はチョ・スンウシ演ずるウ・チャンフン。 となると、アン・サングが変な奴の役どころか? ウ・チャンフンとアン・サングが手を組んで、悪代官ならぬ政財界に暗躍するドンを懲らしめるわけだけど、サングにどれほどの正義感があるのかは不明。言葉の障害故細かなニュアンスが分らないので。 チャンフンがサングの復讐心を利用したのかもしれないけど、それなら、ラストであんなに2人意気投合するはずないかとも思ってみたり。 元々失脚するきっかけになるのは、正義感からだったわけだから、やっぱりサングは良い奴なのか?と思ってみたり。 まっ、そんなこんなで、世間の高評価とは別に、私milkyも心より好きになった映画なのでありました。 さて、すでにネタバレバレですが、ここから、時系列に従って(これもやや怪しいですが^^;)感想を交えながら書いて行こうと思います。 映画は、けっこう身ぎれいなアン・サングが、記者会見で大統領の裏金授受をすっぱ抜くシーンで始まります。 その時、記者から黒革の手袋のことを質問されたサングが、右手袋を外して義手を見せたのち、さらにその義手を外して手首から先が無いことを示します。 自分が政界のゴロツキであり、因縁深い朝国日報の論説主幹イ・ガンヒの悪徳ぶりを強調するためだったのでしょうか。 それから、シーンは2年前に戻ります。 新聞では、次期大統領選では、シン・ジャンタン補候が有力だと論説されています。 それを書いたのは、言わずと知れた悪い奴イ・ガンヒ。 彼は、大統領候補のシン・ジャンタンとともに、自動車会社未来の会長オ・ヒョンスから、目を覆いたくなるような、18Rになった理由はこれか!な接待を受けています。 正に裏金供与を匂わせるどころかまるわかりなシーンです。 シン・ジャンタンの裏金問題にイ・ガンヒが加担しているとは知らないサングは、兄と慕うイ・ガンヒが裏金供与の事実を知らないと思ってか、資料を持って彼の元を訪れます。 政治ヤクザとはいいながら、義理堅く人懐っこい面があるのは、家族に祝い事がある舎弟にケーキを持たせるシーンでもよく分ります。 しかし、裏の顔を持つイ・ガンヒはゴロツキにアン・サングを襲わせ、彼の右手首を落としてしまいます。 もう、この右手首を切られるシーンの演技が必見です。 ビョンホンシ、既に右手首の1個や2個は無くしてるんじゃないの?と疑いたくなるほどです。 兄と慕った男から裏切られ、右手を失ったサングはガンヒへの復讐を企て、あの18Rな接待現場に自分の幼馴染(っぽい)女(王様のお妾さん役だった女優さんです)を差し向けて、証拠動画を撮ります。 しかし、その後の濡れ場のシーンで、カメラを仕込んだ腕時計にワインがこぼれて失敗。 このとき、ガンヒが濡れ場の最中に電話に出たとき呼吸が荒いだけではなくて、肌までもが赤くなっていていてびっくりしました。 ただし、これは1回目の超大画面で見た時にしか確認できませんでしたけど。 ペク・ユンシクシ、役柄なのか、表情はあまり変わりませんが、体全体で表現するところがすごかったです。 例えば、サングに腕を落とされるシーンでは、局所は見えず、うつぶせに倒れたガンヒの背中だけが見えるのですが、その背中が左右に揺れるんです。 ビョンホンシとはまた違ったみごとな手首切られ演技です。 一方、ソウル地検特殊部検事のウ・チャンフンは、シン・ジャンタン補候の裏金供与の捜査線上に浮かびあがったゴロツキのアン・サングに注目し、彼を手荒な方法で確保します。 その時、不思議に思ったのが、彼の無くなっているはずの右手です。 右手をドスで刺されたとき、痛がっていたのはどうしてなのかよくわかりませんでした。 もしかしたら、イ・ガンヒから彼の右手首を切るように命じられた者が、彼を慕って助けたとも考えられます。 そして、その者に危険が及ばないよう、彼は手首から下が無いことを演じているとか。 そう考えた方が、彼のゴロツキではあっても正義感が強い良い奴というキャラクターが浮かび上がり、ウ・チャンフンと協力するのに無理が無い気もします。 あるいは、のちにイ・ガンヒの右手首を斧で落としたのち、彼の右手首を持ち去るシーンがあるのですが、切り落とされた手首を自分がくっつけたから、そうならないように持ち去ったのかなとも考えました。 チャンフンがサングを確保した後、彼をラブホに連れ込み、彼の回復を待つ時に、外れた義手で遊ぶシーンもあるので、そういうことからも彼に右手があると考えた方が自然な気がします。 ラブホと言えば、この場面で、またまたビョンホンシが便器にまたがるシーンがあります。 初見では、ここ、かなり違和感がありました。「またかよ!?」って。 でも、今考えてみると、このあたりから勧善懲悪の予定調和を予感させて、後にチャンフンがサングを裏切った時も、比較的安心して見ることができた気がします。 このシーンは、ビョンホンシの提案だそうなので、計算ずくなのでしょうね。 さて、確保されたサングは、チャンフンの田舎でしばらく過ごし、彼の父親とも親しくなったと想像できます。 とにかく、サングはコミュニケーション能力が高いのです。 その後、チャンフンの実家で美味しそうなサムギョプサルを食べながら、チャンフンに説得されて、彼と協力してシン・ジャンタンらの不正を暴くことを約束します。 そして、再び登場するのが、王様のお妾さん役の女優さん。 サングのことを兄と呼んでいます。 サングは彼女に新しい義手を依頼していました。 これが、冒頭の義手です。 刺されたときの義手が使えなくなったのでしょうか。 さて、彼女は別れ際に彼の頬にキスをし、バイバイと言って立ち去ります。 このとき、二人の会話の中に「モルジブ」が出てくるのですが、どんな会話か分りませんでした。 そして、シーンは冒頭に戻り、サングとチャンフンの良い奴チームが、ガンヒや大統領や未来自動車の会長の悪い奴チームに圧勝。 と、思いきや、ガンヒが新聞でサングや今では女優?になっていた例の彼女の過去を暴いて、彼の主張が嘘であるかのように工作します。 その結果、サングは拘留され、彼女は自殺。 さらに、ガンヒはチャンフンの父親に金銭を渡して、チャンフンまでを窮地に陥れます。 そのさ中、サングは脱走し、ガンヒを襲って、彼の右手首を切断。 自首して、再び収監されることになります。 一方、ソウル地検を辞職したチャンフンは、サングがガンヒを襲った時の会話を盗聴し、それをネタにガンヒを脅してガンヒの側近になります。 まー、この盗聴の一件も、サングとチャンフンのシナリオどおりなのでしょう。 初見では、このあたりのいきさつが全く分からず、ソウル地検を首になったチャンフンが悪い奴に転じたのか?と思っていましたが、違っていました。 側近になったチャンフンは右手を失っても相変わらずエロ爺のガンヒに帯同して、共にエロイ接待を受けます。 その時、土産として持参した酒のボトルに隠しカメラを仕込み、その18Rな様を自らもエロい接待を受けつつ撮影。 その動画を韓国全土のネットに配信して、三人のエロ爺の癒着を暴きます。 その上で、記者会見で、冒頭のシーンよろしく、今度はチャンフンが大統領らの裏金問題を暴きます。 タイトルの内部者たちの内部者は、チャンフンでありサングであったわけですが、この他にも、サングが脱走劇を演じたとき、一緒に護送されていた犯罪者や看守たち、大統領の側近でありながら、サングに加担する男たちなど、下々の内部者たちが政財界の黒いドン3人をコテンパンにやっつけるという水戸黄門以上の痛快勧善懲悪なのでありました。 そして、ラストは、うっかり八兵衛やおぎんさんが登場してのお笑いよろしく、出所したサングと自営している?チャンフンとの掛け合い漫才で終わります。 その時のセリフにやはり「モルジブ」が出て来て会場から笑いが巻き起こるのですが、外国人は、その笑いに全く付いて行くことができずに終わるのでした。 チャンチャン。 ←Click!! ●飛ばない時はこちらから● 正会員年会費⇨の「日韓映画文化交流研究会STORERS」から、お支払い頂けます。
by lee_milky
| 2015-11-24 01:13
| +インサイダーズ
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Comments(6)
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rokugatunotiko
at 2015-11-24 06:04
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朝から楽しませて頂きましたー。早く見たい!ますます見たい!神な演技を堪能したい〜
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lee_milky at 2015-11-24 23:34
☆rokugatunotikoさん、こんばんは。
ネタバレなのに、読んでくださったんですか?ありがとうございます。 この映画、ロングランするでしょうから、早いうちに観れますよ^^ そう言えば、王様を見に、プサンに日帰りで行きましたね^^ あの便が無くなって、残念ですね。
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rokugatunotiko
at 2015-11-26 23:15
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我慢できなくてネタバレみてしまいました〜〜。王様懐かしいですね。良かったですよね。楽しかったな。日帰り出来るなんて凄いですよね。また機会があればご一緒したいです。今週末、こちらでも、こじんまりと国際市場で会いましょうが来るので見に行きます。映画の会に行きたかったけれどいけなかったので、こっちでも上映してくれてラッキーです。
内部者たち日本公開されますよね、きっと。みなさん大絶賛で、いろんなビョンホンが見れるのが楽しみです。
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lee_milky at 2015-11-27 21:42
☆rokugatunotikoさん、こんばんは。
あら~、ごめんなさい。 でも、ネタバレでも、きっときっと面白いですから^^ 日本公開が楽しみですよね。 間違いなく公開しますよ^^ 国際市場も、そちらで見られて良かったですね。 やはり、評判が良いということでしょうね。
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kogarinta at 2016-05-06 13:16
こんにちは。
弊ブログにご訪問&コメントを下さりありがとうございました。 私はひところ日本で流行ったいわゆる韓流映画というものをそんなに多く見てはいないのですし、 とりたててファンになっている韓国俳優も居ないのですが、 この作品は誇張であるにしても、韓国社会の不公平感・コネカネ社会の怖さなどを表わしていて面白かったと思います。
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lee_milky at 2016-05-06 21:28
☆ここなつさん、こんばんは。
私も、多くの韓国作品を見ているわけではありませんが、それでも、映画から、韓国の文化や歴史を知ることが多いです。 あの山荘のシーンも、数年前、実際に韓国であった事件だそうで、だからこそ、韓国での大ヒットにつながったと聞きました。 ありがとうございました。
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