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実録KCIA~南山と呼ばれた男たち(はじめに)

年末から読んでいた、南山の部長たちの原作翻訳本「実録KCIA~南山と呼ばれた男たち(金忠植著・鶴眞輔訳)」をようやく読了しました。
約ひと月もかかったのは、他の本と並行して読んでいるばかりでなく、読みにくいからでした^^;

なにせ、韓国の歴史をほとんど知らずに、その裏を暴くストーリーをいきなり読むわけですから、内容が私にとって理解しがたかったのと、登場人物が金さんばっかりで名前が覚えられないのと、最後の最後にわかったのは、この本が韓国で発売された「南山の部長たち」をそのまま翻訳したのではなく、内容を削って分量を半分に抑えたこと、そのうえ、翻訳者と内容を削除した人が異なることなどが原因だと考えられます。

翻訳者の鶴眞輔氏は翻訳半ばで病床に臥されたので、その後の翻訳と内容削除は、別の方がチームで行ったそうで、それがあとがきに記されているのですが、実は、読んでいる際に、途中から文体が明らかに変化した部分がありました。
言い換えると、途中から一気に読みやすくなりました。
それが、たまたま今回の映画の主役となる金載圭(キム・ジェギュ)の項からだったので、読んでいるときには、だから、この部分が選ばれたのかなと思っていたのですが、どうやらそうではないらしいと、今では思っています。

後半部分のこの辺りから、翻訳者と内容を削った人が同一になったことで、文体に無理が無くなったのではないでしょうか。
しかし、その分、削除部分がこの辺りに集中していることも考えられます。
そう思ったのは、ウ・ミンホ監督によると、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されるまでの40日間に焦点を当てた映画だそうですが、この本を読む限り、暗殺者の金載圭(キム・ジェギュ)が登場してから暗殺までの経緯はそれほど分量が無いからです。

日本での出版にあたり、項目なども変えたそうで、(私が思うには、例えば「極秘指令~金大中を拉致せよ」などは日本向けに替えられたのではないでしょうか。)

つまり、私の読んだ本は映画「南山の部長たち」の原作本そのものではありません。
ですが、その背景にあるものは理解できましたし、そればかりか、先にも書いた金大中氏事件やコリアンゲートだけでなく、現在おこっている徴用工訴訟問題の発端も垣間見える非常に面白い本でした。

では、前置きが長くなりすぎたので、内容の話は、また後日。

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by lee_milky | 2019-01-19 18:12 | +南山の部長たち | Comments(0)
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