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かぐや姫の物語(ネタバレがあります)

7日に高畑勲展で観た疾走する姫の動画を手に入れたくて、帰宅してすぐに注文した「かぐや姫の物語」のブルーレイがようやく届いて観てみました。
実は、注文してすぐブルーレイが届くのが待ちきれなくて、ひかりテレビで観ようとしたら、間違えて「竹取物語」を再生してしまい、そちらも最後まで観たのですが、この二作を比べてみると、「かぐや姫の物語」の方がメッセージ性がかなり強いです。

考えてみると、かぐや姫と言えば、幼いころ読んだあるいは読んでもらった絵本「かぐやひめ」か学生のころ古文で習った「竹取物語」しか記憶がなく、しかもその「竹取物語」は序文の部分ぐらいしか記憶がない始末。

だから、これらの映画が「竹取物語」原文をどの程度忠実に再現しているのか、見当もつきません。
でも、絵本時代に幼いながらも何となく違和感を抱いていた部分が「かぐや姫の物語」で腑に落ちました。
そしてそれこそが、「かぐや姫の物語」のメッセージでした。

竹から生まれたかぐや姫はおじいさんおばあさんに大切に育てられ、村の子どもたちと毎日山を駆け回って元気に成長します。
そして、美しく成長した姫のさらなる幸せを願ったおじいさんの肝いりで都に出て優雅な生活を送ることになります。

しかし、姫はその生活が息苦しく、昔の村での生活を忘れることができません。
だから、高貴な殿方どもから求婚されても、彼らが贈った恋文になぞらえて難問を突き付け、彼らを追い払おうとします。
ところが彼らは、それではあきらめきれず、ある者は自らその難問を求めて命を落とし、他の者は姑息な手段を使って信用を落とします。
これを知った姫は、自分のせいで彼らが不幸になったことを嘆いて、屋敷を飛び出してしまいます。
それがあの疾走する姫です。

時は過ぎ、姫はとうとう帝から見初められるところとなりました。
強引な帝の仕業に我慢できなかった姫は、ついに月に向かって「帰りたい」と強く願います。
その一瞬の願いが叶い、姫は月に帰ることになるのです。

そもそも、姫がこの世に来たのは、この世に焦がれすぎてそれが罪とみなされ、戒めのためにこの世に送られてきたのです。
だから、月に戻りたいと願ったことが贖罪になるわけです。

姫は再びこの世にいたいと強く願うようになりますが、その願いはかないませんでした。
最後に、姫が本当に願った幸せを一瞬だけ味わったのち、月へと帰っていきます。
それを着ればすべてを忘れ、悲しみも苦しみも感じなくなるという天の羽衣を着せられることを最後まで拒みながら。

私は、このストーリーから、姫がなぜ月からやってきて、月に戻っていったのか、なぜあのような難問を吹っ掛けたのかを知ることができました。
そして、幸せとは、姫が願った平凡でも自由な生活だけでなく、この世の営みや喜怒哀楽を感じることそのものだということが理解できました。





by lee_milky | 2019-08-14 17:32 | 映画 | Comments(0)
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