만남(出会い)

高校受験の時、前の晩に読んだ夏目漱石の「坊ちゃん」が、国語の問題に出題されました。
「この小説の題名を答えましょう。」という問題に、自信を持って答えることができました。
大学受験の朝、行きの電車の中で読んだやはり漱石の漢詩が出題されました。
私は、漢文が大の苦手でしたが、その朝、読んだばかりですから、対訳をバッチリ覚えていて、漢詩の意味を全て理解することができました。
その時の国語の自己採点は、200点中192点だったことを今でも覚えています。
もし、あの時あの本を読んでいなかったら、きっと志望校には合格していなかったでしょう。
新婚時代、夫と車で大分に一泊旅行しました。
その晩、私が読んでいたのは、おしゃれなデザインの生活グッズの紹介本でした。
その中にあった竹細工のバターナイフが特に気に入りました。
翌日、帰宅途中に、国東半島のある喫茶店で、遅めに昼食をとったら、偶然にも、そこで、昨日雑誌で見た竹細工のバターナイフが売っていました。
早速購入し、今でも、家で毎朝使っています。
一昨年、鹿児島まで新幹線で旅行をした時、列車の中で読む本を忘れたのに気付き、ホームの売店であわてて一冊の本を買いました。
それは、「僕はツバメのデザイナー」という本でしたが、その本こそが、私の乗っている新幹線のデザイナーが書いた本なのでした。
本革のシートに天然木の壁、広い通路、それらの贅沢な作りの列車が、実はこのデザイナーの手によって、驚く程安価にできていることを知りました。

このように、私には、よくこのタイミングでこの本を読んだものだと、自分でも驚くくらいの本との出会いが度々あります。

そして、昨日、島村麻里著「ロマンチックウィルス-ときめき感染症の女達」(集英社新書)との出会いがありました。
この本は、ある方が、是非読んでみてと、送って下さったものです。
数日前から読んでいたので、昨日読み始めたのは、この本も終盤の「感染者が『毀れる』とき」という章でした。
その症状は、例えば、好きな韓流スターが寄付したのを真似て自分も寄付をし、さらに、友人にも寄付をしつこく強要する、昨夜テレビで見たお気に入りの韓流スターが自分に冷たいと翌日職場で独り言を言う、目当てのグッズが手に入らなかったと言って激しく泣く、身近な若い男性を追い回すようになると、千差万別ですが、その原因は、現実の世界に金銭問題や家庭や職場などにトラブルを抱えているからで、不安な時期に現実から逃避し、お酒や賭け事にのめり込むのと同じなのだそうです。

ここ最近、私は、時間のけじめが全く付かず、いつまでもビョンホンシを追い、フラッシュを作ることが辞められなくなっていました。
また、誰彼と無く自分の苦しい胸の内を打ち明けたい衝動に駆られ、メールを開いては悩みを書き連ね、それを送信しようかどうしようか葛藤していました。
そして、その衝動に負けて、送ってしまったこともありました。
職場でも、自分の提案に執着し、他人の意見が聞けなくなっていました。

この章を読んで、以前の自分とは別人になってしまった自分に気付かされました。
そして、読み進んでいくうちに、その原因が分かり、はっとしました。
症状こそ違え、私は、ロマンチックウイルスに冒され、毀れているのだと思いました。
現実が苦しいから、逃避しているのだと。

そう気付かされた途端、気持ちがすっと軽くなり、それと同時に、私にメールを送りつけられた方の立場になることができ、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
職場の提案も憑きものが取れたように、こだわりが無くなりました。

私は、この本に助けられました。
幸せかどうかの基準は、私自身の心の中にあります。
それを忘れるところでした。
この本を送って下さった方は、差し上げますと言って下さいましたが、当初は読み終えたら、お返しするつもりでした。
でも、今は、気が変わりました。
私は、この本をいつも手元に置いておこうと思います。
更に、新しい出会いを求めて、本をどんどん読もうと思います。

この本は、他の章も興味深い内容がたくさん盛り込まれていますので、いずれ、ブックレビューを書きますね。
ここに、お集まりのみなさんも、この本を是非お読み下さい。
by lee_milky | 2007-07-19 23:52 | Book Review | Comments(13)
Commented at 2007-07-20 09:15
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-07-20 15:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lee_milky at 2007-07-20 21:53
☆at 2007-07-20 09:15さん、こんばんは。
そうですね。
何でもほどほどにが一番です。
この本は、ロマンチックウィルスの功罪だけでなく、よい例もたくさんあります。
近日中にレビューを書く予定です。
Commented by lee_milky at 2007-07-20 21:56
☆at 2007-07-20 15:26 さん、こんばんは。
私も、全くその通りの状況が続いていましたが、特に、ここ最近、ひどかったんですよ。

こちらこそ、度々コメントを頂いて、本当に感謝しています。
特に、このレビューは、「また重たいかなぁ~」なんて、ちょっと気にしてたので、コメントを二つも頂いて嬉しかったです。
Commented at 2007-07-20 22:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-07-20 23:06 x
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Commented at 2007-07-20 23:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lee_milky at 2007-07-21 06:16
☆at 2007-07-20 22:10 さん、おはようございます。
そうなんですよ。
本書には、そのようなロマンチックウィルスの効用についても書いてあるんです。
私が、特に心に触れたところだけを先にピックアップしてしまったものですから、この本の本当の良さが、未だ伝わっていないような気がします。
早くレビューを書かなきゃですね。

それにしても世の中狭いですね~。
私も、最近、そんな経験をしてますが。

年賀状の切手のこと、そう言えばそうですね。
消印の意味を取り違えてました^^;
Commented by lee_milky at 2007-07-21 06:23
☆at 2007-07-20 23:09 さん、おはようございます。
生徒のお母さん方を見ていると、みなさん、子育てに悩んだり、子供のことを心配していらっしゃいます。
「どんなに優秀な子でも、親は心配するものなのだな。」と、よく思います。
私にしても、職場では客観的になれても家庭ではなかなかそうはいきません。
でも、そうして悩みながら、怒ったり、思い直したりする母親の揺れも功罪ばかりではないような気もしています。

良い本に巡り会われて良かったですね。
私も、改めて本を読もうと思いました。
Commented at 2007-07-22 10:26 x
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Commented by lee_milky at 2007-07-22 19:18
☆at 2007-07-22 10:26さん、こんばんは。
いつも、お気遣いいただいて、 ありがとうございます。
以前にも書きましたが、私、いつも非公開さんのコメントに救われています。
ファンミの前のコメントも凄く嬉しかったし。
こうして、ここで皆さんとお話しできることが嬉しいのですから、できるだけ前向きに、レビューを書こうと思います。
でも、また、甘えさせてもらうかも知れません。
ありがとうございました。
Commented at 2007-07-22 21:28 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by lee_milky at 2007-07-22 23:02
☆at 2007-07-22 21:28 さん、こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
ブックレビューを書こう書こうと思いつつ、どう書けばいいかわからず、付箋をたくさん貼ったまま、枕元に置きっぱなしになっていました。
もう読破されたのですね。

非公開さんの感想、興味深く読ませていただきました。
なるほど、そうですね。

煮詰まっていたものに風穴が開いたようです。
ありがとうございました。
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